農福連携とは、障害者や高齢者などが農業に携われるよう、国や自治体、法人などがそれを支援する取り組みのことです。 農福連携の取り組みが進むことで、障害者や高齢者、生活困窮者の働き口を創出できるとともに、農業分野では高齢化による後継者・働き手不足の問題を解消できると期待されています。 現在、全国の農福連携に関わる団体を包括するプラットフォームとして立ち上げから、農林水産省・厚生労働省・民間企業・NPO法人・農家などが垣根を越えて一体となり、農業における課題と福祉における課題を一挙に解決すべく取り組みがスタートしています。 農福連携が注目を集める社会的背景として、農業分野・福祉分野それぞれの社会的背景で確認ができます。
農業分野にまつわる諸問題|農業人口の減少と高齢化
日本の農業が抱えている主な課題は、人口減少・高齢化・耕作面積の減少の3つになります。農業に携わる人口は年々減っており、さらにそれに追い打ちをかけるように、従事者の高齢化も進んでいます。 そして、耕作面積も同じく減少しており、逆に耕作放棄地の面積は大幅に増加傾向にあるのが現状です。
福祉分野にまつわる諸問題|必要性に迫られる障害者の就職事情
福祉分野としては、日本における障害者の総数は2020年時点で約900万人を超え、全体人口の7.4%にあたります。 内訳は身体障害者が約半数、精神障害者は4割、知的障害者は残りの1割というのがおおまかな概況です。
このように体や心に障害を抱えている方は決して少なくない、そうすると彼らを支える社会が必要になってきます。すでに介護支援、職業訓練、自立支援などさまざまな形でサポート体制が整ってきています。 ですが、まだ十分に認知もされている状況ではなく、さらなる取り組みの強化は不可欠になります。そこで農業・福祉、両面の課題を解決する策として期待されているのが「農福連携」です。
【農家側のメリット】 1. 労働力不足の解消につながる 2. 社会貢献による向上 3. 人と人との交流で地域活性化につながる
【障害者側のメリット】 1. 障害者の作業能力を考慮した仕事が可能 2. 自然のなかに身を置くことで身体的・精神的にプラスの効果を得られる 3. 一般就労への移行につながる 4. 社会コミュニティへの参加機会を得られる
ですが、農福連携に行政や農業、福祉の関係者の注目が集まる一方で、まだ社会全体への周知は十分ではありません。 現在、障害者が農福連携を通じて社会の一員となるための取り組みは進みつつあります。
弊社では、廃校のグラウンドと校舎を利活用する「パラ3ファーム」を提唱しています。 パラは、パラリンピックで使用されているParaplegiaと楽園のparadise、最高であるparamountからなる造語です。 障がい者や高齢者が気軽に働くことが出来、生涯その施設で過ごすことができる農業版CCRCを標榜しています。 地方都市では、公民館などのコミュニティとして活用している事例や道の駅化することで、集客を考えたりもしていますが、廃校になるほどの人口で、それらに集客を求めても、中々厳しいと言わざるを得ません。 新しい産業としての農業を提唱することで、廃校の維持管理費も不要ですし、解体費用を拠出することも不要なのです。 その施設を障がい者のコミュニティや一次宿泊所にすることや高齢者の介護施設にすることで、農業以外にも新たな雇用が創出されます。 雇用が増えることで、周辺の休耕田や耕作放棄地を新たな栽培所として整備すれば、働き口を確保することが出来るため、IターンやUターンなども見込めますし、 地元を離れなくても、十分に魅力的な産業を創出することができるのです。 実証例をご覧いただきながら、ご説明を行いますので、是非とも薩摩川内市にお越しくださいませ。
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農地だけではなく、休耕田や耕作放棄地、作付け農作物の変更をお考えの方へ胡蝶蘭栽培に取り組んでみませんか? ※経験・年齢不問です。
<自治体>
廃校や自治体所有物件を栽培所として活用してみませんか? 障がい者や高齢者の新たな就労場所として、生まれ変わらせることが可能なのです。 ノウハウの提供なども全て提供させていただきます。
<一般企業向け>
既に、休耕田や耕作放棄地になりかけている農家の皆様に農業就労者をご紹介いたします。 *諸条件がございますので、まずはお問い合わせください。
<農家の皆様>
常時雇用従業員数が100 名を超える一般企業の皆様方には、「特例子会社」設立と完全委託運営を提案しています。 詳細は、「特例子会社」をご覧ください。
特例子会社とは、障害者雇用の促進と安定を図るため、障害者の雇用において特別の配慮をする子会社のことです。 一定要件を満たし、厚生労働大臣から認定を受けると、特例子会社で雇用された障害者は親会社やグループ全体の雇用であるとみなされ、実雇用率を算定することができます。これが「特例子会社制度」です。
実際に障がい者雇用を行うことは、かなりハードルが高いと感じられている法人も多いと思います。 オフィスビルの場合であれば、多目的トイレやシャワールーム、レストルームの整備は簡単ではありません。 また、障害の等級により、与えられる仕事に制約がかかることもあるでしょう。 一般社員と同等の仕事を振り分けることも、中々厳しいと言わざるを得ません。 そこで、特例子会社なのです。既に、設立されている法人様も多いと思われますが、実際の収支や内容を精査すれば、雇用のための雇用でしかない場合も多いのではないでしょうか? 現在では、CRSではなくSDGsが標榜されている時代です。 単純な社会貢献ではなく、利益を還元してこその「障がい者雇用」なのです。